パラノマサイトが伝えたかった事を考えていきます
パラノマサイトは、スクエアエニックスから発売された
ADVゲームです
ここから先は、本編の重要な内容のネタバレを含みます
結末の内容を知らない場合は、最後までプレイしてから
読んで下さい
蘇りの秘術を巡る、呪い合いの物語に込められたメッセージを
考えていきます
私が思うパラノマサイトが伝えたかった事は
「どんな理由があっても人を殺してはいけない」
大切な人の命を蘇らせるという理由があっても、
その為に他人の命が犠牲になってはいけない
色々な登場人物が色々な場面で、蘇りの秘術を使う事を止めようと
しているのが根拠
・志岐間春恵ルートでは、櫂利飛太が
・津詰徹生ルートでは津詰自身が
・逆崎約子ルートでは黒鈴ミヲが
・蝶澤麻由ルートでは蝶澤自身が
秘術を復活させた土御門晴曼も、復活させた事を後悔している
呪詛で命のやり取りをする作品で、命の尊さを問う
例えゲームであっても、誰かを殺したくないと思う人にも配慮されている
「呪詛行使」ボタンを押して誰かを呪い殺さなくてもクリア出来る
興家彰吾ルートでは、興家が勝手に行使
マダムが灯野あやめと対決するチャプターは、バッドエンドを回収しなくても
結末のチャプターへ進める
復讐を肯定しない物語
逆崎約子の体を使って呪詛を行使した白石美智代
ミヲは「せっかく蘇ってする事が復讐って・・・」
約子は「復讐に走ったのは許せないかな」
復讐で殺す事は許さないけど、復讐自体は約子も協力するつもり
息子を殺した犯人が既に死んでいた志岐間春恵
「復讐なんて何の意味もない」
目的は蘇りであって、復讐はそのついで
興家ルート以外を無かった事にする本当の意味
黒幕が勝利するバッドエンドが、解除の術によって無かった事になっても
霊夜祭の発動前に亡くなった人は、無かった事にはならない
「秘術があったお陰で」を否定する
秘術が無くても誘拐事件の真相は判明するし、飛び降り自殺の真相も
判明する
秘術が存在しない世界は、晴曼が望んだ世界
秘術を復活させた晴曼は、本所事変が起きてしまった事を後悔
禄命簿が行方不明になったせいで、存命中に封じる事が出来ず
後世に、事変の怨害が起こった時に対処出来るように策を講じる
晴曼の意識であるプレイヤーが、解除の術を発動させる事に意味がある
案内人が最後にする質問は、最初と同じ内容だけど選択肢が追加された
「必要ない 破棄する」
何故この選択肢が追加されたのか?
誰かの命を蘇らせる秘術は存在してはいけないから
死者の蘇生が出来ないからこそ、命が尊いものになる
案内人に見届けてほしいと言われた、解除の術が発動した後の世界で
晴曼からのメッセージ
「蘇りの秘術なんてありはしない そこにある命を携え
ただ一歩一歩 踏みしめていってほしい」
作品全体を通して、これだけ秘術を否定する描写が
盛り込まれているのは、
命が尊いものだからこそ
パラノマサイトを制作した石山貴也さんが、過去に別の会社で作った
「癸生川凌介事件譚シリーズ」でも一貫して、殺人を許さないという
描写がどの作品でもある。
人が死ぬ作品を作るからこそ、その扱いを軽薄にしない。
石山さんが、何を大事に作品を作っているか分かるはず。